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鋼の錬金術師 62 (未来)

「…見んな」
「そんなこと言われても」
「感染る。離れろ。放っとけ」
「風邪っぴきが偉そうなこと言ってんじゃないの」
「薬飲んで寝てれば治る」
「ちゃんと食べないと薬も飲めないでしょ」
「食欲、無い」
「だーめっ」
「ひとりで平気だから、ほんとにあっち行けって」
「座ってるのもやっとの癖に。はい、あーんっ」
「自分で出来るって」
「たまに病気になったときくらい甘えなさいよ」
「………だって、今のオレ、情けないだろ」



今更、何を言っちゃってるのかしら。
あんたの情けないとこなんて、見過ぎちゃってて珍しくもないわ。
笑い出したいのを懸命に堪えて、スプーンを口に無理やり突っ込んだ。
強がって甘えてくれないなら、今のうちに押し倒しちゃうんだから。

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鋼の錬金術師 61 (未来)

「えーどっ」
「ちょっと待て、今忙しい」
「じゃあ、キスしてくれたら待ってあげる」
「どんな交換条件だ」
「等価交換でしょー」
「はいはい、お姫様はどういうのがお好きですか」
「うーんとあまいのが良いわ」



抱きよせて、唇に触れて、離れて、もう一度。
そんなに優しく微笑わないで、待てなくなっちゃう。
ぎゅうっと腕を首に回したら、たくさんのキスの花びら。

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鋼の錬金術師 60 (グリリン達とロックベル家を出た直後)

「良いのか、あんなあっさりした別れ方で」
「あっさり?」
「接吻だの抱擁だのしなくても、ってハナシだよ」
「ただの幼馴染にそんなことするか!!」
「お前の女じゃねぇのか」
「違う!」
「へぇ、じゃあ俺が貰っても文句はねぇよな?」
「大アリだ」
「あの女にそれを面と向かって言えるようになってから大口叩け」


喉の奥で笑いながら、楽しげに細い眼を歪める。
言われなくても分かってら。
まだ伝えられないもどかしい想い。

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鋼の錬金術師 59 (未来)

「エド」
「うお?!」
「そんなに驚くことないでしょー」
「起きてるとは思わなかったんだよ」
「目が覚めたの」
「具合は?」
「頭、痛い」
「んー…大分下がったけど、まだ熱いな」
「お腹空いたぁ」
「食欲があるなら大丈夫か。りんごのすりおろしたやつか、お粥…」
「ミルク粥食べたい。作って」
「…明日の朝ばっちゃんに頼め」
「みーるーくーがーゆー!」


治ってきたと思ったそばからコレだ。
元気になるのは構わんが、もうちょっと大人しくしててくれ。
ミルク粥なんて作ったところで味見が出来るか。
不貞腐れた彼女の口にはちみつりんごを押し込んだ。

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鋼の錬金術師 58 (未来)

「あたし、エドが怖いわ」
「ちょっ、兄さん!ウィンリィに何したの?!」
「冤罪だ!!」
「だってずるいんだもの」
「はい?」
「あっちこっち旅してたから色んなこと知ってるし」
「そうだね」
「いつの間にか、身長だって追い越されてるし」
「はぁ」
「一緒に居ると、安心するし」
「信用されてたんだね、意外と」
「意外ってお前」
「頼りになるエドって、何だか怖いのよ」
「それ、怖いって言うより…」
「さっぱり意味が分かんねぇ!」
「兄さんは、ヒトの心の機微を学ぶべきだと思うよ」



不安じゃないの、怖いだけなの。
エドがエドじゃないみたいなのに、でもちょっとだけどきどきするの。
好奇心への恐怖?
知ってしまったら、もう抑えきれない。

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鋼の錬金術師 57 

「あんたたちって、ほんとに急に帰ってくるわよね!」
「ごめんね、ウィンリィ」
「帰ってくる理由が機械鎧の故障って言うんじゃ無かったら大歓迎よ、アル」
「ざくざく何か刺さるんですけども」
「あらそう、厭味が分かるくらいにはなったのね」
「…兄さん、ここは素直に謝っておこう」
「まずはそのレンチを仕舞え、話はそれからだ」
「これで殴られるような覚えでもあるのかしら」


いっそひと思いにやってくれ!
じわじわと追い詰められる感覚に冷や汗が流れる。
蛇に睨まれた蛙ってのはこのことだ。

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鋼の錬金術師 56 (未来)

「ばっちゃん、こいつここに置いてって良い…?」
「ソファで寝てたら風邪ひくだろ。ベッドまで運んでやっておくれ」
「強くないんだから、酒なんて飲ませんなよ」
「少しの寝酒くらい良いじゃないか、じゃあ頼んだよ」
「へいへい、おやすみ」
「おやすみ」
「…こーの酔っ払い、起きろ」
「んン…」
「って言っても、起きるワケ無ぇか」
「………」
「……………襲っちまうぞ」
「…へ?」
「あ?」
「…え…えッ?!」
「なっ何でソコで起きるんだよ!!」
「だ、だってぇ!!」



ちょうど目が覚めちゃったんだもの!
真っ赤な顔した幼馴染の彼女の抗議。
いつも構わずくっついてくる癖に、たまにこちらが押せば慌てて下がる。
時々、本気で襲いたくなるのはオレだけの所為ですか。

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鋼の錬金術師 55 (未来)

「は?」
「だーかーらー」
「いや待て、それはいくらなんでもちょっと」
「新婚さんなんだもの、良いじゃないっ」
「天蓋付きベッドとかどこの王族だ」
「我が家のお姫様のお願いでしょー!」
「誰が姫だ、誰が」
「あたし」
「機械鎧にご執心なお姫様ってなぁ」
「あら、あたしエドにもご執心よ?」



とびっきりの笑顔で言ってみたのに、なによその微妙な顔。
別に機械鎧繋がりで言ったんじゃないわ、失礼ね。
あれもこれもと欲張りになっちゃう、近い未来の設計図。

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鋼の錬金術師 54 (未来)

「寒いわねぇ」
「そうだなぁ」
「ひとりよりふたりだと思わない?」
「はい?」
「寝るのが」
「…風呂入ってすぐ眠ればあったかいだろ」
「エドが子ども体温なのが悪いのよ!あったかいのよ!」
「理不尽だ!!」



鍵を閉めたくらいじゃ、家の鍵を管理している家主に対抗出来るはずもなく。
諦めてみたところで現状を受け入れられるほど紳士でもなく。
あのね、オレも一応男なの!
いい加減、無防備に安心するのは嫌がらせだと分かってほしい。

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鋼の錬金術師 53 (未来)

「駄目」
「そこを何とか」
「駄目ったら駄目」
「ウィンリィ~っ」
「だーめっっ!!」
「ばっちゃん、兄さん達なにやってんの?」
「今度出掛ける日時合わせだってさ」
「その前日まで、オレ確実に徹夜なんだよっ」
「あたしだってそこしか仕事の空いてる日ないんだもんっ」
「じゃあ、一週間延ばすとか!」
「観たい映画終わっちゃうの!」
「分かった!デザートプレートで手を打とう!」
「やだやだやだぁっっ!!」
「まぁ、仲は良いんだよね」
「一応、多分ね」



あの兄が随分妥協と譲歩を覚えたものだ。
最後は結局、言い負けて折れるんだろうけれど。
本気を出せばあんな仕事くらいさっさと片付けられるんだから、
可愛い彼女のわがままくらい聞いてあげる甲斐性持ちなよ。

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