「んじゃ、そゆことで」
「え、あの…っ!」
「他に分からないことあったか?」
「えっと、なま、え」
「俺?アクセルだよ」
「俺は、おれ、は…?」
「そっか、お前まだ生まれたばっかだったよな」
「そうなの、かな」
「ソーなの。そだな、ロクサス、なんてどうだ?」
「ロクサス?」
「教えといてやるよ。俺達の名前には全部『x』が入ってるんだ」
「皆?」
「んでソラの文字を並べ替えて、ロクサス。記憶したか?」
「アクセルは」
「ん?」
「アクセルは、誰?」
「俺は俺。お前もお前だ、ソラじゃない」
「…うん」
この道の先に、もしも光が待つと言うのなら。
絶望と悲しみと切なさしかないこの身体は、
いとも容易く崩れ去ってしまうのだろうか。
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「アクセル」
「ちょっと待て、この本あと1ページで読み終わるから」
「…ソラ、って見たことある?」
「まぁ、チラッとだけなら」
「どんなヤツだった?」
「どんな、って」
「煩いとか、自分勝手だとか、ものすごくヤな奴だとか」
「ロクサス」
「手に負えないくらいどうしようもない、とか」
「そういう奴だったら良かったのか?」
「…それでもやっぱり、俺がソラには、なれないんだ」
「あぁ、そうだな」
存在していながら、存在を赦されないもの。
ノーバディと名付けられながらも、存在するもの。
誰でもないと言うのなら、
最初から名前など欲しくはなかった。
憶えていない君は、僕を覚えていて、くれますか?
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