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VOCALOID 5

「リーンちゃん、レンくんと喧嘩したって?」
「……だって、レンがおやつ取ったんだもん」
「レンくんおやつ食べちゃったの?!」
「そうだよ!あたしの分まで全部!!」
「あれ、確か賞味期限切れてた気がするんだけどなぁ…?」
「えっ?」
「そうそう。お姉ちゃんがあるの忘れてたって別のを買いに行ったもの」
「えっ?えぇっ?」
「今頃、レンくんお腹痛くなってるんじゃないかしら?」
「れっ、レン―――――!!!」
「ちょっと、ミク。私が無精者みたいに言ってくれるじゃないの」
「お帰り、メイコお姉ちゃん」
「準備して行ったのは、ちゃあんと賞味期限内のおやつよぉ?」
「どっちかが謝らないと終わらないじゃない」
「良いわ、お菓子買いに行ったのはほんとだしね」
「わーい、苺大福だ!」



お茶を淹れていると、双子が揃って顔を出す。
不安そうに見上げてくると抱き締めたくなっちゃうわ。
お薬あげる、言って苺大福を手に乗せる。

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VOCALOID 4

「初音v」
「「鏡音~っっ!!」」
「巡音…」
「咲音?」
「皆で何やってるの?」
「苗字だよ、お兄ちゃん」
「一応皆あるよね、っていう」
「あぁ、そっか……………ぁ?」
「…………」
「…………」
「………あたし、カイト兄の苗字って聞いたことない」
「…オレも」
「…あれぇ?」
「アイスあげるから、元気出しなさい」
「わっ私のいちごアイスも宜しければ!」
「ルカちゃん、メイコ姉やっさしー!」
「嬉しいけど嬉しくないのは何でかな…」



ただ聞いたことないってだけの話。

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VOCALOID 3

「レンのばかばかばかばかっっ!!」
「今のは絶対リンが悪いっっ!!」
「こーら、ケンカしないの」
「レンがいじめるんだよ、ミク姉~っ」
「あっ、ずるいぞリン!!」
「べー!」
「っの…!」
「こらリンちゃん!レンくんも!」
「ふたりともそのへんで…」

「 う る さ い 」

「「…ごめんなさい、メイコ姉」」
「あれ、カイト兄さん?」


出るタイミングを逃したカイト兄。

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VOCALOID 2 『悪ノ』シリーズ妄想小説続き


ディンドン、ディンドンと大聖堂の鐘が鳴り響く。
穏やかな日常であるのなら仕事の手を休め、
薫り立つ紅茶をティーカップに注ぎ、
甘い焼き菓子を頬張るのだろう。
それが許された最後の日はいつだったのか、もう記憶にない。
押し開かれたままの宿屋の窓から見えるのは蒼い空と、
城下に広がる家々の色とりどりの屋根。
城下町だと言うのに出歩く人間はまばらだ。
「行かなくて、良かったのか?」
紅い鎧を纏った女は遠目に映る獄壁を見晴るかした。
この国の罪人を収容する牢獄は南の一番外れにある。
だが、罪人と称された人間は恐らく半数以下に激減していることだろう。
捕らえられていた多くの者は不敬罪犯、革命犯で、決起した国民達にとっては英雄だ。
そうして彼らもまた、いつかは英雄と称されるのであろう。
「あぁ」
女騎士の隣で窓に背を向けていた蒼い髪をした青年は小さく頷いた。
その表情は暗い。
「彼女の…ミクの仇だったのに?」
「…君はどうして?」
答える代りに彼は重ねて問うた。
「『どうして』?愚問だな、私の役目は終わったよ」
「彼らにはまだ指導者が必要だ」
この国はまだしばらく荒れるだろうと予測出来た。
王政の強制廃止、議会も貴族すらも逃げ出した国で作り上げていかなければならないのは民主政治。
指導者は必要だ。
ただし、剣を振るう指導者ではなく、言葉の力で皆を統率していく指導者が。
最低限、議会は必要だろう。
議員を選出し、民の声を聞き、実行していく場所。
しかし、恐らくは最初だけだ。
国が安定してくれば間違いなく私欲に走る者が出てくる。
そうして抗う者達が再び革命を起こす。
壊すことよりも、作り上げていく方が何百倍も困難で、
結局歴史はその積み重ねで連ねられていく。
「戦闘以外に頭を使うのは苦手でね、そういうのは得意な奴がやると良い。それに、性分じゃない」
「謙遜だ」
「事実だよ」
かたん、と窓が風に揺れた。
空は蒼くて、風は澄んでいて、陽は穏やかに地上を照らす。
例え、ヒトが争い続け、いがみ合い、
憎しみの果てに誰かを傷付けても何一つ変わることなく。


「…本当、は」


ぽつり、と青年は言の葉を零した。


「もっと、他の方法があったんじゃ、ないか、と」


強く握られた拳が微かに震える。


「償う機会を、与えるべきだったのでは、ない、かと」


毅然と逃げることなく彼らの前に歩み出た王女は、本当に幼い少女で。



「彼女は、彼女だったら」



―――本当に、あのような結果を望んだだろうか



彼の、彼女の、記憶にあるのはいつも穏やかに笑みを湛える少女。
小さなことに喜んで、小さな倖せを嬉しそうに愛おしむ。
最期の最期まで、自分以外を気遣って。


『どうか』


触れたぬくもりが失われていくものだと信じたくなくて縋り付いた。


『哀しまないで』



―――誰も、憎まないで



彼女の最期の言葉を裏切って、剣を手にした彼の罪。
今更、もう間に合わない悔恨の念。
いつだって、後悔は後にしか来ない。
「…何が正しいかなんて、私達に決める権利は無いよ」
短く切りそろえられた茶色の髪がさらりと靡く。



「迷いながら、間違えながら、私達は自分の信じた道を歩くだけだ。例え数年先に深い後悔を覚えたとしても」



革命には生贄が必要だった。
その犠牲を以て、国民は暗黒の時代に終止符を打つ。
結果だけを見るのであれば、幼い少女を断頭台の露としただけ。
どんなお題目を掲げようとも、
それらは『人殺し』と位置づけられただけのもの。
そこに意味があるのか、ないのか、決めるのもまた、ヒトだ。
俯いた青年の肩に手を置くと、行こう、と彼女は扉へと向かった。



静まり返った路地裏に小さな足音が跳ね返る。
殆どの人間が国の外れの牢獄へと向い、
古い時代の幕引きと、新しい時代への幕開けの目撃者となろうとしている。
どれくらい走ったか分からない。
目深に被った帽子から零れる黄金色の髪は汗ばんだ頬に張り付いている。
息を切らしながら走る少年は、宿屋から出てきた影と盛大にぶつかった。
「わっ」
「…ッ!!」
小さな身体が地面に倒れた。
ぶつかった青年はあまり衝撃を受けなかったらしく、
慌てて倒れた少年に手を差し出した。
「大丈夫かい?前を見て走らないと危ないよ」
乱暴に手の甲で汗を拭い、
顔をあげた少年はただでさえ大きな瞳が零れんばかりに目を見開いた。
被っていた帽子は青年の向こう側に飛んで行ったようで、
連れだっていた女騎士が拾い上げて砂を払う。
「一体何をそんなに急いでいるんだ」
呆れたような声音で、彼女は少年に帽子を渡そうとして動きが止める。
見覚えのある、あり過ぎる相貌。
「お前、は…」
彼女の台詞を遮るようにして、青年は片手で続きを制する。
咄嗟に剣の柄にかけた手も下ろした。
「城の者は皆、王女を残して逃げ出したと聞く。そうか、君も」
びくりと少年は肩を揺らした。
ふと、誰かが近付いて来る気配がする。
牢獄へとは赴かずに残っていた人間だろう。
青年は懐に手を差し入れると、
有無を言わさずに少年の手へと金貨やら銀貨の入った袋を押し付けた。
「逃げなさい」
「…ッ!?」
「王女に関わりのある人間が捕まれば、どうなるかくらい分かるはずだ。君は王女の所業に巻き込まれていただけ、君に罪はない」
少年の目からぼろぼろと涙が溢れる。
懸命に首を左右に振っていたが、青年に帽子を被され立たされると、
一度だけ振り返り、深く頭を下げて城下町の外へと走って行った。
消えて行く少年の背中を見送りながら、女騎士は息を吐いた。
「良いのか、あれは…」
「大丈夫だよ」
青年は少年に触れた手のひらをじっと見つめた。
初めて少女達に会ったのは、生誕祭として催された城での舞踏会。
ローズピンクの愛らしいドレスを纏って、
父王にエスコートされながら姿を見せた幼い少女。
ふと目が合って微笑むと、
恥ずかしそうに眼を伏せてから、花が綻ぶように微笑み返してくれた。
王女付きの侍従の少年は不思議そうに目を瞬かせて、
彼らの間に視線を往復させていた。
そんな微笑ましい光景を覚えていたのに、無かったことにした。
今この手のひらに一体何が残ったと言うのだろう。



「愛する者を失う悲しみを知った。誰かを傷付ける痛みを憶えた。だからもう大丈夫だよ――――…彼女は」



女騎士はもう一度嘆息すると、お前は甘いよと呟く。
けれどそれで良いんだと青年は苦笑した。



それは、ずぅっと昔の物語。
歴史と歴史が重なって、いつか寓話へと姿を変えた。
遥かなる悠久の刻が奏でた、悲しい哀しい旋律の調べ。



君へ届ける、確かなメッセージ。





少女は目を覚ました。
そうして初めて、自分が泣いていたことに気付く。
自分を呼びにきた少年を見上げると、彼はひどく驚いた顔をしていた。
「…憶えてないけど、夢を見たわ。とても、かなしい夢」
「じゃあ、楽しい歌をいっぱい歌おう。そしたらすぐに、元気になれるよ」
「そうかな」
「そうだよ」
少年は少女の手を引いて、走り出す。
顔を上げれば仲間の顔が見えて、
泣きたくなるほど安堵してしまう自分に首を傾げた。
重なる旋律に、ぽぉんと響く小さな声。
ともすれば、聞き逃してしまうくらいのとても小さな。


少女は歌う、想いを託して。
少年は歌う、願いを託して。



重なる旋律を、まだ見ぬ誰かへと届ける為に歌い続ける。


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VOCALOID 1 『悪ノ』シリーズ妄想小説※書いて良いのかちょう不安(笑)


時計の針を巻き戻し、失われた時を紡ぎ出す。
その王国が悪逆非道と呼ばれていたあの頃に。



「ねぇ、レン。教会に行きたいわ」
少女の言葉に侍従は顔を上げた。
淹れ立ての紅茶がふわりと湯気をたゆたわせながら、
飴色の水面にまだあどけない少女を浮かび上がらせる。
結い上げた金糸の髪に気の強そうな蒼い瞳。
少女はこの国の王女だった。
レンと呼ばれた侍従はそっとティーカップを少女の前に置くと、
不思議そうに首を傾げる。
そのかんばせは王女の面立ちとよく似ていて、
誰が教えるでもなく彼らの繋がりを容易に連想させた。
「城内の教会ではなく?」
「下町の教会よ」
言い出したら聞かないのは分かっていた。
少女が自分の立場を弁えず、大した共も伴わずに行くと言っても、
少年には物申す権限などない。
少女は王女で、少年は召使。
それは、生まれたときから決められていたこと。
元来、双子は不吉とされてきた慣わしの中で、
母が懇願して命乞いをした結果だった。
暫く沈黙した後、少年は大臣に許可を貰ってきますと言ってサロンを出て行った。
僅かに目を伏せて揺れる紅茶を見つめる。
紅茶を飲み終え、侍女がてきぱきとティーセットを片付けた頃、
少年は漸く帰って来たのだった。


大聖堂の中は他に礼拝者も居らず、しんと静まり返っている。
結局、レンひとりを伴い、王女を乗せた馬車は下町の教会を目指した。
司祭は父王と母を見送ったときに城の教会を取り仕切っていた優しげな老人だった。
長い鬚を蓄え、おっとりとした眦に彼らは知らず安堵する。
まっすぐに十字架の前へと進んだ王女の数歩後ろに少年は従う。
誰に倣うでもなく王女は膝を折り、手を組むと瞳を閉じた。
数分間、少女は石像のように動かなかった。
「熱心に、祈っておられますな」
少し離れた場所に立つレンの隣の老人が
動かない小さな背中にやわらかく声をかける。
閉じていた瞼がゆっくりと上げられるが、視線は床に向けられたままだ。
ステンドグラスから降りる光が、少女の頬に睫毛の影を落とす。
「…ずっと、子どものままでは居られない」
ぽつりと、吐息混じりに王女は呟いた。
「私は、与えられるものが当然なのだと、信じて疑わなかった」
幼い少女の、まだ高いキーの声が小さく震えたのに気付いたのはきっと片割れの少年だけだったろう。
そうしてまた、気付いてはいけないのだとも理解していた。
あまり記憶のない先王の逝去は予想外に早かったと聞いている。
王女の成人と婚約選定を待たずしての崩御は、
王宮内の混乱だけに留まらず、城下にまで広がった。
これ幸いとばかりに喜んだのは国議会だ。
王族の血を絶やさず、
そうして自分達の利益を率先させた結果は幼き王女を玉座に据えることだった。
成人しなければ正式に王座を継ぐことは出来ない。
それまでは補佐という名目で国の政を操り、
上手く懐柔出来れば王座を継いだその後も実権を握ることが叶う。
事実、王女は王族としての執務をこなすでもなく毎日を過ごしている。
全てを国議会に任せきりだったのは、
王女であれば何もしなくて良いと言う驕りと、
彼らの提示した意味を取り違えた自由と言う言葉に誘惑された結果だった。
幼い少女に与えられる教養と知識は上手い具合に政から切り離されており、
それこそ幼い子どもが玩具を欲しがるかのような我儘を許し続けたのも彼らの思惑通りだったのかもしれない。
王家に集う貴族を顧みようとしない王女と、
私欲をさも当然なのだと正当化させる国議会を見限って離れる貴族は少なくなかった。
怖ろしいのは幼さ故の無邪気さ。
気に入らないものは排除すると言う、単純な思考回路。
王国を悪逆非道とまで言わせしめた横暴ぶり。
それに気付かない幼き少女。
「…後悔を、しておいでですか?」
顔を上げ、王女は立ち上がった。
振り返った少女が浮かべた笑みは、王宮では決して見せることのない笑みだった。
いつでも高飛車で、強気で、何がどうあろうと気にも留めないのが王女。
本当は、気付いていた。
レンは気付いていて、知らないふりをした。
それが、少女の望みだと分かっていたから、知らないふりをした。
少女の変化に気付き始めたのはいつからだったか。
「…王族は、何があろうと跪くことは許されません」
謝罪の言葉も、また。
王族の発言は国の発言。
振舞いのひとつひとつが国に、民に、繋がっていく。
「後悔など、出来ようはずもない」
(そう、あの頃からだ)
少年は微かに目を細めた。


『あんな女が居なければ、あのヒトは…っ!』
『でしたらゼロに戻してしまえば良いのですよ、お可哀そうな王女様』
『そんなこと、出来るの?』
『えぇ、とても簡単なことです』



『緑の国を滅ぼしてしまいましょう』



誘惑に負けたのは王女だった。
少女に何の罪もなかったと言えば嘘になる。
そうして、現実を知ったのもそのときだったに違いない。
「司祭様、私は」
1、2を誇る美しさを持つかつての緑の国が廃土と化した、
伝令用のスケッチを見た瞬間に込み上げた言い様のない嫌悪感。
食べたものを嘔吐し、数日間心因性の高熱で寝込んだ。
目が覚めても全てが夢であったはずもなく、
ただ呆然と自分のしでかしたことへの途方もない自責の念に囚われた。
教会へ向かう馬車の中から見た町の風景は色褪せていて、活気とは程遠い。
疲弊しているのは兵士だけでないことを自分の目で見、
確信し、そうして揺るがない決意を新たにする。
「私は、王女なのです」
確かめるように、少女はそう言って――――――笑った。



決めたのは、このときだった。
少年も、少女も、己の成すべきことを。



『議会と貴族を退けさせる為の革命を民に起こさせる、それが貴女の計画だったのでしょう?』
『いいえ、違うわ』
『そうして貴女が犠牲になれば、事実上王政は廃止、国は民へと還る』
『私は王女なの。逃げるわけには行かないだけ』
『王女』
『さあ、貴方も行くなら行って構わないのよ。どうせもう、誰も居ないのだから』
『私が…僕が居る』
『レン、貴方なに、を』
『最後まで王女で居るのが君の役目なら、君を護るのが僕の役目』
『駄目、駄目よ、お願い、莫迦なことを』
『約束したよね、護るって』
『レン、お願い…っ!』
『君を生かすのが、僕の役目なんだよ』
『いや、やめて、お願い』


お仕着せを交換させられ、裏口から強引に押し出された。
最後に見たのは、少年の優しい笑顔。
忘れられない、大切な。


『僕の為にもどうか、戻らないで』


大切な。


『愛しているよ、可愛い僕のきょうだいだった君を』


大切な。


『きっとどこかで笑っていると、約束してくれるよね―――リン?』


声にならない叫びが、蒼い空にこだまする。
閉じられた戸口は二度と開くことはなかった。




<青と赤の視点に続きます>


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