2024.05.02 Thursday 19:27
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2010.10.09 Saturday 20:17
「コロネロが、死んだ」
「リボーン」
「バイパーも自殺したそうだ」
「そう」
「やけに冷静じゃねぇか、ツナ」
「だって、つまりはそういうことだろ」
「つまり?」
「分かる限り、アルコバレーノについて調べたつもりだよ」
「へぇ」
「バイパー…マーモンがそんな真似するなんて思えない」
「コロネロは?」
「コロネロは…生き残るつもりだったろうね」
「そうだな」
「復活、出来るんだろ?」
「…それは、大空のアルコバレーノ次第だ」
未来を描く。
暗い、深い、闇に塗れた未来を描く。
拙い光を手繰り寄せ、大空に輝く太陽をもう一度掲げてみせるんだ。
[0回]
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2010.10.09 Saturday 20:10
「ツナ、これボスから」
「ありがと、ランボ」
「…疲れてる?」
「そんなことないよ」
「肩揉んであげよっか?」
「オレ、年寄りじゃないんだけど」
「じゃあ、じゃあ」
「ランボ、こっちおいで」
「へ?」
「ここ、座って?」
「もうすぐツナの背に追いつくんだぞ」
「分かってるよ、大きくなったなぁ」
「ツナ、おじさんみたいだ」
「う、傷付く」
15歳にもなった少年を膝に抱く。
幼い頃は少女とふたり、一緒に両膝に乗っていたのにな。
成長した姿に入り混じる、嬉しさと寂しさ。
[0回]
2010.10.09 Saturday 20:02
「望み薄」
「そう言わないで下さいよ」
「大体、君って謀って苦手分野でしょ」
「苦手分野は克服するためにあるんです」
「言うじゃない」
「そんなワケで協力お願いします」
「ワオ、僕まで巻き込む気?」
「楽しいことになりますよ、雲雀さんにとっては」
「だろうね」
獲物を狩る目、ボンゴレにとって彼は諸刃の剣。
利害さえ一致すれば、気まぐれで手を貸してくれることもあるけれど。
敵と味方を裡に抱えて、
それでも信じる俺を愚かだと嗤う貴方だからこそ。
[1回]
2010.10.09 Saturday 20:00
「欲しいものなんて、無いんです」
「本当に?」
「オレが欲しいもの、かな」
「いつも他人のことばかりだよね、君は」
「まさか」
「皆が居ればそれで良い?」
「はい」
「エゴだね」
「知ってますよ」
平然と言ってのける君の、誰よりも残酷な優しさ。
例えば、魔女の渡した毒林檎を毒と知っていて口にするような。
愛していると囁きながら、手の届かない場所へと逃げていく。
[0回]
2010.09.01 Wednesday 21:51
「嘘、を」
「ツナ?」
「俺が、嘘を吐いたら山本どうする?」
「そうだな、状況によるかな」
「はは、だよね」
「嘘を吐く予定でもあんのか?」
「…状況による、かな」
深くは訊いて来ないけれど。
もしかして気付いてる?
それとも気付いたフリをしてるだけ?
何度確認したって同じ。
俺は君達を傷付ける。
[0回]
2010.09.01 Wednesday 21:47
「もしかして怖い?」
「怖いですね、泣きそうです」
「恐怖感は大切だよ、生き残る為にはね」
「膝が笑いそうなのに、そういうこと言わないでください」
「逃げたくても逃げられないって?」
「そうですよ。たまには優しい言葉くらいかけてくれても罰は当たりません」
「僕はいつも優しいじゃない」
「雲雀さんって、笑いながらヒトを殺せますよね」
心外だとばかりに目を伏せる。
口元笑ってますよ、冗談じゃない。
彼の興味が失せれば、こうして会話することも無くなるのだろう。
仲間を引きとめておくのに、必死な自分に苦笑する。
今まで積み上げてきたものを崩すんだ。
最後のジェンガが中心から音を立てて倒れて行く。
[0回]
2010.09.01 Wednesday 21:41
「復讐者の牢獄を出る?」
「僕の弟子を使います」
「大丈夫なの?」
「ボンゴレ、君はヒトの心配をしている場合ですか」
「そりゃまぁ、そうなんだけど」
「昔を赦していないくせに、偽善にも程がある」
「お前がオレ達にしたことは赦せない、赦しちゃいけない」
「そう、それで良い」
「でも、クロームを生かしているのはお前だし、黒曜のふたりの拠り所になっているのもお前だ」
「…やっぱり君は甘過ぎる」
獅子のような瞳をして、炎のような意志を持って。
なのにどうしてそんなにも変われない?
いっそ残虐非道にでもなってくれたのなら、
この中にあるマフィアというものが揺らぐこともなかったというのに。
[0回]
2010.09.01 Wednesday 21:07
「ツーナ兄っ」
「フゥ太、機嫌良いね」
「ママンが焼いてくれたミートパイがおいしかったからかな」
「オレ、昼飯すら食ってないのに…」
「言えば京子姉とかハル姉が作ってくれるでしょ」
「そういうんじゃなくてさぁ」
「ツナ兄は我儘だけど、我儘じゃないよね」
「うん?」
「他の誰かのことは我儘だけど、自分には我儘じゃない」
「ははっ。何だよ、それ」
「ほら、笑って誤魔化す」
「そんなことないって」
「嘘吐くの、上手になったね」
「獄寺くんにも言われたよ」
否定して欲しい言葉ほど、
はぐらかして欲しい言葉ほど、どうして肯定してしまうのか。
世界を知る術を僕はもう持たないけれど、
貴方はきっと世界中の誰よりも優しく残酷なヒトなのだろう。
[0回]
2010.09.01 Wednesday 20:58
「十代目、ご気分が優れないのでは」
「そんなことないよ」
「食事を殆ど召し上がってらっしゃらない」
「直前にランボ達がお菓子大量に持ってきてさぁ」
「ランボはがっつり食べてましたけど」
「若さには敵わないよね」
「十代目」
「心配しすぎだってば」
「…十代目は、以前よりも嘘がお上手になりましたよね」
それって酷い褒め言葉だね、笑ってみたけど表情は晴れない。
ごめんね、だから話せない。
10年経って、ようやく嘘の吐き方を覚えたんだ。
[0回]
2010.01.04 Monday 12:34
「あ、コレ良いなぁ」
「何だ、ツナ。今度はバイクか?」
「だってほら、格好良くない?山本好きでしょ」
「嫌いじゃないけど、この前フェリー買ったばっかりじゃねぇか」
「そぉだけどぉ」
「珍しいな、そんだけ趣味に走るのって」
「んー、まぁ色々」
「別に良いけどさ」
「ね、山本」
「うん?」
「オレのコレクションはボンゴレ所有物なの」
「そうだな」
「だから皆、いつでも使って良いんだよ」
常に全力でぶつけられるだけの機動力を。
いつか来る未来へ託すものをひとつでも多く。
万全の備えと、最高の策略を。
過去の自分はこの未来に何を思う?
絶望されても構わない。
今のオレには闘うことすら、叶わない。
[0回]