「俺ってそんなにレイコさんに似てるのか?」
「まぁ、似ているな」
「まぁって何だよ、まぁって」
「意識の問題だろう、お前という人間を知っている私は今になってみれば似ているとは思わん」
「何だ、それ」
「例えば私の魂が、そうだな、ヒノエと入れ替わったとしたらそれは私か?」
「違うな」
「そういうことだ。外見なんぞひとつの見解に過ぎん」
おかしなことを気にするものだと、彼はごろりと横になる。
けれどね、自分と繋がりがあるものを実感出来るのは、
どこかほっとするんだよ。
いつも彼がヒトは面倒だと言う意味が、
ほんの少し分かった気がした。
[2回]
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