「ラビ、Go!」
「Go!じゃねぇよ!」
「こんなときくらいにしか役に立たないんですから役に立って下さい」
「おいおいおいおい!!俺、どんだけ役立たず扱いなんさ!!」
「………」
「………」
「…聞きたいんですか?」
「…遠慮しとく」
「じゃ、ラビが神田担当で」
「アレンがリナリーな」
「まぁ、かろうじてでも構わないから生きて帰って下さいね」
「心配しなくても絶ッッッッ対無事に帰ってやるさ!」
確か、俺の方が年上だよな?
こいつと言い、ユウと言い、もうちょっと敬っても良いんじゃねぇの。
彼の背後にうっすらと見える黒い影に文句を飲み込み、突撃開始。
[4回]
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「辛気臭い顔してんなぁ」
「ラビ」
「笑えよ、楽しいこと考えてさ」
「えぇ?笑ってるじゃないですか」
「お前の笑顔ってどっか嘘くせぇ」
「………」
「………」
「そんなことありません」
「ほら、ちょっと黙った。嘘吐くの、癖?」
「嘘って言うの止めて下さいよ。別に癖でもありませんって」
「ま、いーけど」
「ラビこそ」
「うん?」
「僕よりずっと、嘘を吐くのが上手じゃないですか」
一瞬だけ見開かれた瞳を、見ないフリして微笑んだ。
君が誰よりも優しいことを知っている。
凍て付く夜に落ちた、氷のかけら。
[1回]
「…はぁ」
「ミランダ、溜息?」
「リナリー…」
「悩みなら相談に乗るよ」
「マリに…」
「マリ?」
「最近、避けられてるみたいで」
「あー…」
「私、また何かしたのかしら!?何!?何なの!?」
「落ち着いて、ミランダ。貴女のせいじ…」
ないとは言い切れない場合はどうすれば良いのだろう。
[2回]
「いつまで、お前とこうしていられるかな」
「マナ?」
「なぁ、アレン。もしも」
「?」
「もしも、私がいつか居なくなってしまっても」
「…っ!やだ、やだよ、マナ」
「良いか、覚えておいで。私はお前を、愛しているよ」
「僕が!」
「うん?」
「僕がマナを護ってあげる!」
「お前が?」
「今度は僕がマナを護ってあげるから、だから…そんなこと、言わないで」
「…あぁ、頼もしいな」
寒い、寒い、夜だった。
ぬくもりを求めて駒鳥のように身を寄せ合い、
一枚の毛布にくるまって、夜が明けるのをじっと待った。
明けない夜が、冷たい影が、そっとそっと忍び寄る。
[1回]
「アレン君?」
「リナリー、こんな夜更けにどうしたんですか?」
「私は兄さん達のお手伝い。科学班は今頃血眼になって重要書類を捜しているわ」
「…コムイさんですか」
「正解」
「はは、お疲れ様」
「アレン君は?」
「僕は、えっと、その」
「眠れない?」
「そうじゃ、なくて」
「なに?」
「…いえ、やっぱり眠れなかっただけみたいです」
「…嘘吐き」
「え?」
「眠れないなら、とっておきのハーブティー入れてきてあげるわ」
暗がりの灰褐色。
眠れぬ夜を彷徨う天使。
君の瞳は今、何が映ってる?
[2回]