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鋼の錬金術師 204(未来)

「寝ないの?」
「もーちょっと」
「ふぅん」
「・・・自分の部屋行けよ」
「別に良いでしょー」
「気が散る」
「静かにしてるのに」
「そういう意味で無く」
「エドって時々分かんない」



分からなくて結構だ!
さっきから進んでないペン先にそろそろインクが滲んできた。
気付けば聞こえる寝息に、痒くもない頭にがしがしと指を突っ込んだ。

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鋼の錬金術師 203(未来)

「んーっ」
「お疲れ」
「肩揉んで!肩!」
「人使い荒ぇ」
「誰の所為だと思ってんのよ」
「オレの所為です」
「甘いものが食べたいなぁ~」
「調子に乗るなッ」
「えへー」



そんなこと言って、修理の後はすごく優しい。
いっぱい甘えて、いっぱい触れて、いっぱい笑うの。
今回はゆっくり傍に居てくれる?

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鋼の錬金術師 202(未来)

「~♪」
「あらー、パパはお歌が下手ですねー」
「おいこら」
「エドみたいに音痴になったら困るわ!」
「悪かったな!」
「音感ってちっちゃい頃に養うって言うじゃない」
「お前が子守唄歌ってるから大丈夫だろ」
「あら、嬉しい」



ほどなくして聞こえて来た子守唄。
うとうとする子どもが腕の中でもぞもぞ動く。
柔らかい頬をつついたら、小さな手が指をぎゅっと握って来た。

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鋼の錬金術師 201

「じゃがいも、にんじん、玉ねぎ」
「シチュー?」
「ポトフ!」
「今日の夕飯か」
「ううん、明日の夕飯。夜から煮込むの」
「うあー、聞いてたら腹減って来た」
「今日の夕飯はパスタよ」
「大盛りでお願いします!」



ほかほかのパスタにたっぷりのミートソース。
よく食べるねぇ、と弟の声。
育ち盛りなんだよと答えれば、どっかには栄養行かないけどねの声に詰まりかけた喉。

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鋼の錬金術師 200

「たっだいま~」
「足元びっしょびしょ」
「途中で川に足浸けてきたの」
「あっずりぃ!」
「あんたの予備の足突っ込んだら承知しないわよ」
「片方!片方だけ!!」
「足だけじゃ済まないでしょ!!」
「うわぁ、親子みたいな会話・・・」



せめて夫婦みたい、で留めておいて欲しいなぁ。
年上なうちの兄さんが小さな子どもみたいじゃない。
幼馴染の延長戦、足を踏み出せるのはどれくらい先だろう。

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鋼の錬金術師 199

「うー・・・」
「どした?」
「おなかいたい」
「大丈夫か?薬は?」
「大丈夫じゃない。薬は飲んだ」
「んじゃ、湯たんぽ要る?」
「要るぅ・・・っ」



ソファにうずくまって動かない幼馴染に、温めの湯たんぽを置いてやる。
祖母も居ないこの時間、やけに静かな家の中。
早く元気になってくれないと調子が狂うと、ゆるく彼女の背中を撫でた。

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鋼の錬金術師 198

「アイス買って来たぞ~」
「でかした!!」
「褒めるほど!?」
「今日は暑いからねぇ」
「だと思った。兄さんが僕のそばに寄らないから」
「夜はともかく、日中は焼き肉出来るからな、お前」
「苺が良い!苺!!」
「チョコとバニラだけ」
「ええええええ!!!」
「文句あるなら自分で買ってこい!!」



文句言いつつ、手にはしっかりとチョコアイス。
何だよ!結局食うのかよ!!
バニラを半分くらい食べ終わったら、幼馴染に強制トレードされたオレのアイス。

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鋼の錬金術師 197

「おや」
「ん?」
「エド、お前居たのかい」
「は?」
「ウィンリィが・・・まぁ、良いか」
「言いかけんなよ!」
「アルが居ないみたいだから、そっちかね」
「だから!」
「お前を荷物持ちに連れて行くって言ってたのさ」
「買い出し?」
「そうそう。フラれたねぇ」
「ふ・・・っ!?」



べっ別に古傷抉られたりしてないんだからな!!
声掛けられてないだけで、フラれたどうのって話じゃないし!!
気になりだした時計の針が、壊れてるんじゃないかってくらい遅くなった。

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鋼の錬金術師 196

「今晩和~」
「へ?ウィンリィ?」
「ちょっとこっちの部屋居させて」
「は?!こんな夜中に何言ってんだ!!」
「そうだよ、兄さんイビキ煩いし」
「そういう問題じゃねぇ!!」
「・・・出たのよ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・アレか」
「アレよ」
「あぁ、ゴ・・・」
「言わないでぇぇええええ!!!!」
「お前の部屋ちょう真向かいじゃねぇか!こっちも危険だ!!」
「その為にこっちに来たんでしょうが!!」
「無理無理無理!!!」
「・・・アレくらいボクが退治してあげるから」
「弟よ!」
「さすがアル!!」



そんなことで褒め立てられても、すんごい微妙なんだけど。
ふたりとも害虫くらい、平気そうに見えるのにね。
新聞紙を丸めてスタンバイしてたら、いかにもな装備は止めてと懇願された。

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鋼の錬金術師 195

「泣くなよ」
「泣かないわよ」
「嘘吐け」
「嘘じゃない」
「でも、ほんとでも嫌だ」
「意味分かんない」
「・・・泣いても良い、けど、自分の為にしろ」



拭った指先が乱暴で、触れた目尻が赤くなる。
泣くなと言ったり、泣けと言ったり、どうしろって言うの?
逸らした瞳が見えなくて、騒いだ心が嘘を吐けなくなってしまう。

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