「…骸さま?」
「骸さん?!」
「…どうかしたの」
「ノイズが酷くて…聞き取れない…なに…?」
「役に立たねぇ女だびょん!」
「犬、黙って」
「―――…え?」
「?」
「クローム?」
「…ボスが…死んだ、って」
ひび割れる音、瓦礫の砂塵。
あのヒト以外で私の言葉を聞いてくれた初めてのヒト。
信じられないのに、波紋のように広がっていく小さな感情。
[0回]
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「リボーン、オレ…」
「選んだのはお前だ、ツナ」
「そうだよ、オレだ」
「だったら、何を迷う」
「選んだのはオレで、皆じゃない」
「ボスはお前だ」
「皆はオレの所有物じゃない」
「勘違いするな、いつから部下がボスの所有物になった」
「リボーン」
「オレはボンゴレだが、ボンゴレのものじゃない」
「うん」
「覚えておけ。だからこそ、あいつらが選んだ道をお前が迷うのは筋違いなんだ」
「選んだ、道」
「ボスになりたくなかったお前がボスになったのは、お前をボスと認め、望む奴らが居たからじゃねぇのか?」
「それ、は」
「ボンゴレ10代目はお前だ、ツナ」
見失うなとあいつは言った。
大丈夫だよ、信じてるよ。
宿る炎に誓いを立てた。
護る為に闘い続ける。
[0回]
「俺は、ボンゴレを選べなんて言えない」
「ツナ」
「山本がリングを返しても、それはきっと当然なんだ」
「…野球、な」
「え?」
「大リーグ目指して、やっと手が届くとこまで来たんだ」
「…うん、知ってる」
「俺にはソレしか取り柄無かったし」
「そんなこと…!」
「でも、もっと俺にも出来ることがあるんだって、分かった」
「山本?」
「まだ、獄寺とお前の右腕の決着がついてねーんだ」
「山も…」
「お前が全部背負おうとしてること、俺にも…違うな、俺らにも分けろよ、ツナ」
「…ごめ、ん」
「何で謝るんだよ、おかしな奴だな」
「ありがとう、山本」
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん。
何度謝っても足りやしない。
全てで応えてくれた君達へ、俺の全てで応えよう。
君達の未来を守るよ、必ず。
[1回]
「ツナ兄、居る?」
「居るよ、フゥ太」
「すんごい形相でハヤト兄が探してたよ」
「え、オレ何かしたっけな」
「アレじゃない?この前勝手に会合決めちゃったヤツ」
「あー…だって絶対、皆反対するだろ」
「そりゃするよ、危険だもん」
「うん…」
「ツナ兄?」
「…でも、必要だと思ったから」
「10代目!!」
「あ、獄寺くん。オレ探してたって?」
「この前の撤回して下さい!絶対認めませんからね!!」
「はいはい」
「10代目っっ!!」
振り返って動いた口元。
『どんなことになっても、絶対後悔しない』
何を想っていたのだろう。
何を信じていたのだろう。
貴方が居ない世界では、もう知ることも出来ない。
[3回]