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鋼の錬金術師 22

「えぇっと、分けて運べば良いか」
「……」
「3回…くらいかなぁ」
「おい」
「ん?」
「男手あるんだから、オレかアルに頼めよ」
「男手?」
「男手」
「…………あぁ!そういえば!」
「あれ、どしたの兄さん」
「べっっっっっっつに!!!」



そりゃあ、この家には普段お前とばっちゃんしか居ないけどさぁ!
もちっと頼ってくれても良いんじゃねぇの?!
悔しいのは並んだ身長、こちらが頼りっ放しの情けなさ。

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家庭教師ヒットマンREBORN! 32 (未来ver.)

「沢田」
「はい?」
「顔色が悪いぞ」
「そうですか?」
「ちゃんと寝てるのか」
「寝てますよ」
「1時間は寝た内に入らんからな」
「あはは」
「休息は大事だとコロネロ師匠も言っていた」
「…すみません」
「謝るくらいなら、しっかり休め」
「善処します」




決して『Sì』とは言わない。
彼の謝罪は不眠へのものではないと分かったけれど、
気付かないふりして受け流す。
自分以外を大切にしすぎる彼の、我儘はいつまで続くのだろう。

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家庭教師ヒットマンREBORN! 31 (未来ver.)

「変な顔してる」
「十代目」
「オレなら大丈夫だって」
「大丈夫な方がそんな顔するんですか」
「するんだよ」
「十代目!」
「うん、そうだね」
「え?」
「オレはどうやら『十代目』らしいから」
「そ、う…」
「家庭教師の為に泣いてなんて、いられないんだよ」



あぁ、ごめんね。
君に意地悪を言いたいワケじゃなかったんだ。
あの傍若無人な家庭教師の存在は、
こんなにも大きかったんだと今になって思い知る。
さぁ、ゲームの時間だ。
大きな蝶を捕らえる為の、緻密な罠を張り巡らせよう。

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家庭教師ヒットマンREBORN! 30 (未来ver.)

「はひ?クロームちゃんですか?」
「うん。ハルと京子ちゃん、普段一緒に遊びに行ってるだろ」
「お買いものしたり、ケーキ食べに行ったり、特別なことってしてないよね、ハルちゃん」
「ですよねぇ」
「この前、可愛いワンピース3人お揃いで買ったんだよ」
「ね~っv」
「そっか、それなら良いんだ」
「何ですか、ソレ。気になります!」
「んー…ほら、黒曜のふたりってクロームには無頓着だろ」
「そうなの?」
「ちっとも、ってことはないと思うんだけど。男だし、気が回らないと言うか」
「女の子同士の方が気がねしないってコトですね!」
「だから、食べ物だけじゃなくて着替えとか生活必需品ちゃんと揃えてるのか心配してたんだ。変な意味じゃなくてね」
「ツッ君は優しいね」
「ハルはツナさんの優しすぎるところが心配ですっ!」
「オレは優しいんじゃなくて、ずるいんだよ」



嫌われたくないから、周りばかり見てる。
自分の所為で傷付けたくないから、身体が動く。
きっと全部、エゴの為。
昔みたいにひとりに戻りたくないだけ。
だから、これから何があっても泣かないで。
オレの為にだけは絶対に、泣かないでいて。

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VOCALOID 4

「初音v」
「「鏡音~っっ!!」」
「巡音…」
「咲音?」
「皆で何やってるの?」
「苗字だよ、お兄ちゃん」
「一応皆あるよね、っていう」
「あぁ、そっか……………ぁ?」
「…………」
「…………」
「………あたし、カイト兄の苗字って聞いたことない」
「…オレも」
「…あれぇ?」
「アイスあげるから、元気出しなさい」
「わっ私のいちごアイスも宜しければ!」
「ルカちゃん、メイコ姉やっさしー!」
「嬉しいけど嬉しくないのは何でかな…」



ただ聞いたことないってだけの話。

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ぬらりひょんの孫 壱 (爺世代)

「ワシの顔に何か付いておるかの」
「目と鼻と口は付いておりますわね」
「御前にもな」
「見た目はちっともヒトと変わりませんのに」
「ちぃとばかり、ヒトよりも長生きなだけだ」
「其れは良う御座いました」
「良い?」
「私の心が貴方の傍に在るのなら、私が儚く成った其の後もずっとずっと御傍に居られますもの」
「…あまり先のことは考えてくれるな」
「妖様?」
「傍に居てくれ、他には何も望まぬ」
「…はい、我が背の君」



死んでくれるなと、共に悠久の刻をと、
決して望もうとしないのは彼の姫への想いの証。
ヒトと交わった妖かしの矜持。
想いを決めた其の時に、
やがておとなう別れの恐怖すらも受け入れた。
何時か散り行く手折った華を、今はただ腕に抱く。

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家庭教師ヒットマンREBORN! 29 (未来ver.)

「Bonn Giorno,XANXUS」
「……チッ」
「…今、舌打ちしたね」
「È Italia qui.Parli italiano」
「憶えたてなんだから無茶言わないでよ」
「Io venni a fare qualsiasi cosa」
「九代目に会いに」
「Ritorni rapidamente」
「まぁ、仲良くしてとか言わないし、思わないけど」
「Io sono naturale」
「せめて、同じ目線で話がしたいな」
「È una persona astuta e terribile」
「あ。それ、誰かに言われたなぁ」



射殺すような強い焔が真っ直ぐに向かってくる。
和解は出来ない。
嘗ての彼らの所業を赦してはならない。
けれどボンゴレはひとつなのだと、
何よりも強い矜持が今のオレ達と彼らの絆となるんだ。

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家庭教師ヒットマンREBORN! 28 (未来ver.)

「山本」
「どした、獄寺」
「…十代目が成しえなかったことを、オレらがやれると思うか」
「随分、らしくねぇのな」
「…そうだな、悪ぃ。忘れてくれ」
「ツナは、考え無しじゃないと思うぜ」
「は?」
「ん?」
「どういう意味だ」
「んー…?よく分かんね。何となく」
「っの、分かんねぇことを口に出すなッッ!!」



意味があったと?
理由があったと?
だったらそれは一体どんな?
貴方の死は大きすぎて、重すぎて、思考回路が働かない。
戸惑いや不安、期待や羨望。
あの小さな背中に全部押し付けていた自分の無力さに吐き気がした。

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鋼の錬金術師 21 (ラッシュバレー出産イベント直後)

「兄さん」
「あ?」
「さっき、ウィンリィと何話してたの?」
「あー…別に」
「…僕に言えないようなこと、なんだ」
「それ、は…」
「言えないんだ」
「アル?」
「…兄さんのえっち!すけべ!!いやらしい!!!」
「ッどんな勘違いだぁぁぁぁああああ!!!」



走る背中を追いかける。
きっちり出入り口を錬金術で塞いでいく所が性質悪い。
違うと言い切れなかった、雨上がりの朝。

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家庭教師ヒットマンREBORN! 27 (未来ver.)

「君の周りの人間は、君を甘いと言うけれど」
「絡みますね、雲雀さん」
「なかなかまったくの狸だよね」
「甘いとか辛いの話じゃなかったんで?」
「どこが甘いのか、僕にはちっともわからないよ」
「結構、無理してるんですけどね」
「どうだか」



譲らないものは変わらない。
その為になら、誰を犠牲にするよりも、己を犠牲にするだろう。
例え、鬼となる道を選んでも。

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