「あのね、夢を見たの」
「夢?」
「すっごく倖せな夢。嬉しくて、泣いてしまいそうな夢」
「どんな?」
「それが覚えていないのよ、でも倖せだったわ」
「へぇ」
「だからね、そのときにエドが隣に居てくれたらって思ったの」
「ウィンリィ?」
「あたしの夢の続きはエドが良い」
「…莫迦」
「莫迦じゃないもん」
「莫迦だよ。オレは、夢じゃなくて現実だ」
そっと頬を包む両手が優しくて、あたたかくて。
触れ合った額が痛いほどに熱を帯びる。
君が嘘じゃないのなら。
君が夢じゃないのなら。
あまく、あまく、チョコレートみたいにとろけそうなキスをあたしに頂戴?
[13回]
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