「…怒ってる」
「怒ってねぇ」
「絶対怒ってるー！！」
「怒ってねぇっつってんだろ！！」
「やっぱり怒ってるじゃない！うわああああんっっ」
「兄さんがウィンリィ泣かせてる～」
「いちゃつくなら部屋でやりな」
「だっ、いっ、ちがッッ！！」
「兄さんがしかめ面してるからだろ」
「…う゛っ！」
「一緒に寝てくれないって愚痴ってたし」
「オレだって、限界ってもんがあるんだよ」
「で？」
「…………あのな…」
「うん」
「………っ、言えるかぁぁあああああ！！！！」
「こらエド！叫びながら外に出るんじゃないよ！！」
「ご近所さんに変な噂立っちゃうねぇ」



走り去って行く兄の背中に手を翳す。
まぁ、彼女絡みだってことくらいは嫌でも分かった。
どうせ、いつの間にか勝手に仲直りしてるんだ。
心配するだけ損する、犬も食わないなんとやら。

[10回]