「ユニ姫」
「ボンゴレ」
「バルコニーは冷えます、中へどうぞ」
「この城は、何故こんなにも穏やかなのでしょう」
「そのように思って頂けるのでしたら、嬉しいですね」
「血生臭さが届かないのではない、見えないのです」
「私達は争いを好みません」
「変わったマフィアですね」
「そう仰る姫こそ」
「私は、守られているから願うのです」
「願い」
「仲間の無事を、皆が笑い合える日が続くことを」
「そうですね」
「貴方は」
「はい」
「願わないのですか?」
「…願えないのですよ、姫」
もう、とは言わない。
仲間に願いを託すことは出来ない。
託してはいけない。
ここから先は、彼だけが通る血まみれの茨道。
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