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少年陰陽師 参

「ねぇ、昌浩。私も車之輔に乗って遠出がしたいわ」
「え?!だっ、駄目だよ!!」
「如何して?前は良いって言ったじゃない」
「彰子はずっと伏せってて、やっと治ったばかりなんだし」
「其んな邪険にせんでも良いじゃないか、晴明の孫や」
「邪険になんてしてない!序でに孫言うな!!」
「………っ」
「…あ、彰子?」
「あーあ、泣かせちゃったー」
「もっくん煩い!」
「もっくん言うな!!」
「…此処に来たばかりの頃は何時もあーんなに構ってくれたのにっ!彰子は哀しい…寂しいわ、昌浩っ」
「あ、彰子、さん…?」
「おお、どっかで聞き覚えの有る台詞だなぁ」
「あんな狸の真似なんかするんじゃ有りません!!」
「うふふ、一度やってみたかったの」


日進月歩、色即是空。
未だ未だ先は長いけど、
のんびりゆっくり行こうじゃないか。

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最遊記外伝 2

「あ、蛍!」
「本…写真集か?」
「天ちゃんとこにあった」
「ほー」
「金蝉、見たことある?」
「無ぇな」
「俺ね、あるよ。夜にふわってした光でぶわーっていっぱいになるんだ」
「へぇ」
「な、な、金蝉。夏になったら見に行こう?天ちゃんと捲兄ちゃんも一緒に!」
「…誰かさんが仕事の邪魔をしなくて、暇が出来るんだったらな」
「何だよ、ソレー!!」


賑やかしく喚く幼子に苦笑が漏れる。
ゆびきりを知らない小さな指が服の裾へとしがみ付く。
果たされないだろう約束がまたひとつ、増えた。

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鋼の錬金術師 4 (未来)

「エドエドエドエド、エドワードさんっ」
「はいはい、何でございましょーかね」
「お買い物行きたい」
「絶ッッッッ対駄目。」
「何で即答なのよー?!」
「ええい!臨月で笑えねぇ冗談言ってんじゃねぇ!!」
「適度な運動は良いって言われたもん!!」
「言われたのはその状態じゃなかったときだろーが!!」
「けち」
「けちで結構」
「…チビ、豆、ミジンコー」
「今何っつったぁぁぁぁああああッッ?!」


あら、まだ反応するのね。
仕方が無いからこれで我慢してあげる。
見つけた遊び、からかい甲斐のある愛しいヒト。

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少年陰陽師 弐

「俺、ずっと思ってたんだけど」
「占星術の不得手か?だったら努力するしか…」
「分かってるよ!そうじゃなくて、何で紅蓮だけ半裸なのかなぁって」
「「………っ」」
「…勾、六合、笑うな」
「はっ、若しや皆に嫌われてるから紅蓮だけ着物を貰えなかったとか…」
「おい」
「其れとも闘う度に炎で燃やしちゃうからだとか…」
「こら」
「あぁっ、それともそれとも!!」
「ヒトの話を聞けぇっっ、晴明の孫!!」
「孫言うなっ!!」
「…何だ、その哀れむような目は」
「だからもっくんのときは寒くないようにふさふさなんだね…っ」
「断じて違ぁあうっっ!!」



真実を知るのはもう少し先。

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少年陰陽師 壱

「もっくんやーい」
「もっくん言うな!」
「あ、居た」
「まーさーひーろー」
「はいはい、こっち御出で」
「御前はひとっつもヒトの言うこと聴いとらんだろ」
「彰子がね、干し杏買ってきたから一緒に食べようって」
「……ほんとに聴いてねぇな、晴明の孫」
「孫言うな!!」
「いてててててて!?おいこら莫迦尻尾が千切れるっっ!!」


一応聴いては居たらしい。
いつもの台詞を口にして、いつもの台詞が返ってくる。
他愛ない毎日、他愛ない喧嘩、他愛ない世界が色付いて行く。

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犬夜叉 弐 (犬父母)

「春だな」
「えぇ、ほんとうに」
「月夜に桜も美しいものだぞ」
「まぁ、風流」
「見たことが無いのか」
「だって、月を眺めていては乳母に叱られてしまいますもの」
「月は妖し、か」
「あぁ、でも」
「うん?」
「貴方様がご一緒ならば、月の妖しも遠退くでございましょうね」
「やもしれぬ」


ささに桜を浮かべて、月を呑む。
微笑った貴方がとてもとても美しかったから、
この刻を絵巻物に閉じ込めてしまいたいと願ってしまう。
叶わぬ願いに、目を閉じて。

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DEATH NOTE 1

「L、『死』って何なのかな」
「それは哲学的思想の価値観から?」
「死んでしまえば、その瞬間から何も分からなくなってしまうのに、何故死を恐れるんだろう」
「本能ですよ」
「本能?」
「何も無いと分かっているからこそ、恐れる」
「Lも?」
「勿論です」
「見た目はゴーストみたいなのにね」
「それは酷い。けれど残念ですが、私はまだ死んだことはありません」
「うん、知ってる」
「死とは、概念でしかありません」
「どんな?」
「医学的に定められた死が心肺機能の停止なら、私達の感じる死はまた別のものなのかもしれない」
「よく分からない」
「例えば、もし私が死んだとして」
「Lは死なないよ、絶対」
「例えばです。その私の意志を誰かが、例えば君やメロが継いでくれるとしたら」
「『例えば』ばっかりだ」
「例えばは例えばです。そうしたら私はきっと、死なないのでしょうね」
「それはただの屁理屈だよ」
「そうかもしれないし、違うかもしれない」
「違っていたとしたら、良いよ」
「ニア?」
「僕は貴方を忘れない。貴方の言う通りなのだとしたら、貴方はずっと生き続ける」
「それはそれで大変そうです」
「貴方なら、そう言うと思った」



いつか交わした貴方との言葉。
あの頃の私は僕でしかなくて、
貴方は貴方であり続けるしかなかった。
思い出すのは貴方の背中。
ひとりでは決して追い付けなかった大きな背中。
私はまだ貴方を、憶えています。

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鋼の錬金術師 3

「羽根が、生えたみたいだったんだ」
「…ぶっ」
「…笑うな」
「兄さんってば意外とオトメな妄想するんだね」
「妄想って言うな!」
「あはははは!笑いがとまんない!ウィンリィに教えてこよう!」
「ぎゃああああ!?」
「ウィーンリーィ!!」
「何でもねぇ!こっち来んな!!」
「なぁんですってぇ?!」
「ウィンリィ、あのね…ッ」
「お前に用事なんて無ぇからあっち行け!耳塞げ!!」
「黙らっしゃい!あんたに呼ばれたんじゃなくてアルに呼ばれたのよ!!」
「さっき兄さんったらねぇ」
「言うなよ?!言ったら承知しねぇからな?!…ぐはッ!」
「さぁ、アル。遠慮なく教えて頂戴」
「て、っめ…憶えてろよ…!」
「はい、ウィンリィの勝ちー」



あぁもう、ほんとに頼むから。
分かってるよ、聴いた瞬間大爆笑だろ。
だから気のせいに決まってるんだ、
微かに染まった君の頬なんて。

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犬夜叉 壱 (犬父母)

「あら、雨」
「誠か」
「えぇ、まことです」
「困ったな」
「『春暁』の君」
「うん?」
「貴方様は犬の大妖怪で在らせられるので御座いましょう?」
「如何にも」
「だったら此れくらいの、御犬様には成れませんの?」
「十六夜、我が本来の姿は此の屋敷の半分程ぞ」
「まぁ、大きい。では縁の下に隠れるなんて無理ね」



のんびりと笑う少女に、青年もつられて笑う。
だから願った。
此のまま雨も止まず、
刻が止まってしまえば良いのにと。

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姫神さまに願いを 弐 (新年ver.)

「明けたわね」
「明けたな」
「間違う事なき新年ね」
「あぁ、添うだな」
「童顔カイさんは今年で幾つにお成りだったかしら?」
「…童顔って言うな」
「あらゴメンナサイ、胡乱胡散童顔カイさんだったわね」
「うろうろー」
「うさうさー」
「だああぁぁぁあああっっ、煩ぇっっ!!」
「大丈夫よ、アタシはしっかりばっちりどんなカイさんでも受け止めるからっv嗚呼何て尽くす女なのかしらアタシって!」
「――――……俺に言う前に、じぶ…」
「大変、頭にでっかい蠅が!」
「っ!!」
「カイ、撃沈ー」
「ぶくぶくぶくー」
「おやおや駄目ですよ、カイ。女性に歳を訊ねては」
「…今年も行く末が見えた気がした」


新年新春賑やかし。
目出度春にて艶やかに。
ようよう明くる梅の香漂う。

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