「濡れたぁ!」
「傘持って行かなかったのかい」
「だって出るときは晴れてたんだもの」
「ラジオで午後から雨だって言ってたのに」
「どっかで電話借りて、ウチに連絡すりゃ良かったじゃねぇか」
「だって、ちょっとの距離だったし」
「『だって』『だって』じゃあーりーまーせーんーっ」
「いひゃい、いひゃいっ!!」
「風邪引いたって看病してやらねぇいからな!」
「そういうときは、ぬっくぬくにあっためてよう!」
「どうやってだ!」
「心配したならしたって言えばいいのにねぇ」
つねられた頬を抑えて涙目で抗議。
どうやって、なんてここで具体的に言っても良いの?
お風呂を指差す君の手を取り、一緒に入ろって誘ってみる。
馬鹿なこと言ってんなと、ふわふわのバスタオルでくるまれた。
[7回]
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