「ばっちゃん、風呂空いた?」
「あぁ、もう寝るよ」
「お休み」
「お前たちも疲れたろう。早く休みな」
「もうこんな時間。明日は朝寝坊確定ね」
「そうだ、エド」
「アル達なら、もう寝たぞ?」
「違うよ。まだ、言ってなかったと思ってね」
「?」
「改めて、ロックベル家へようこそ。孫娘を頼んだよ」
「ばっちゃん…」
「……うん。オレも、宜しくお願い、します」
「あ、エド涙目」
「なっ、泣いてねぇ!!」
「うっそだぁ~」
伸ばされたしわだらけの右手に感じた重みとぬくもり。
これまでと、何も変わらないと思っていた。
明日から始まる新しい日常。
変わらないものなんて、何ひとつありはしない。
[9回]
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