「兄さんさぁ…」
「…何だその物言いたげな間は」
「昨日…あぁ、やっぱ良いや」
「途中で止めんな!」
「怒らない?」
「な、内容による」
「じゃあ言わない」
「…怒らないから言ってみろアルフォンス!」
「兄さんに用事があって、部屋に行ったんだよね」
「は?いつ?来なかっただろ」
「寝る前」
「寝る前―――・・・あ゛ッッ!?」
「ごめん、見ちゃった」
真っ赤な顔で言い訳しようとする兄を遮って、耳を塞いで聞かぬフリ。
一応断ったんだからね、言っても良いかどうか。
兄の部屋の前で呼び掛ける幼馴染が、中へ入った後に消えた灯り。
[28回]
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