「あれ、雲雀さん」
「君はさ」
「オレですか?」
「そう、君。強かったり、弱かったり、ほんとによく分からない」
「弱虫ですよ」
「まぁ、そうだね」
「あはは」
「でも弱虫だから弱いとは限らないみたいだ」
「そうですかね」
「らしいよ。君みたいな強さもあるんだね」
「オレみたいな強さ?」
「護るものがあればあるほど強くなる。僕には理解できないものだ」
「オレがオレの為に強くなっても、何のメリットもありませんしね」
「あぁ、なるほど」
その牙を。その刃を。その毒を。
ひたすらに隠し続けて、研ぎ澄ます。
誰かの為にと願うのならば、真っ先に自分の保身を考えなよ。
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