「十代目。理由を、お尋ねしても宜しいですか」
「理由」
「この地下アジトの建設についてです」
「秘密基地っぽくて良くない?」
「ご決断も建設も十代目らしくない性急なものでした」
「オレのんびりしてるからなぁ」
「思慮深くいらっしゃいます、だからです」
「…獄寺君、は」
「はい」
「いろんなこと考えすぎて身動き取れなくなっちゃうタイプだね」
「は、あ…?」
「色んなこと出来る広い施設が欲しかっただけ。心配するようなことじゃないよ」
納得出来ないような面持ちで不承不承に頷いた。
ごめんね、ありがと。
今はまだ言えない、仲間への偽りと真実。
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